夏がやってきました。
年々気温が上昇しています。


世界各地の天気も
記録的な高温になってきました。

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動物たちも毎年多くの熱中症が見られます。


熱中症とは
「暑熱環境下や運動などによって発症し、
体温を維持するための生理的機能の失調から、全身臓器の機能不全に至るまでの病態」

を言います。

一般的には、
 熱虚脱
 熱痙攣
 熱疲労
 熱射病

に分類されます。

熱中症は、外側からの熱や暑さだけではなく、
犬の体温調節に関わる内的な要因が大きく影響しています。

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熱中症を重症度別に見てみましょう。
Ⅰ度(軽度)Ⅱ度(中程度)Ⅲ度(重度)に分けるのが一般的です。

Ⅰ度
呼吸数は増加し、四肢や腹部の筋肉に痙攣が見られることがあり、
軽い失神や脈拍が速く弱い状態になります。
運動の直後などになりやすいです。


Ⅱ度
めまい、疲労、虚脱感、失神、吐き気、嘔吐などが見られます。
呼吸はかなり早くなり、血圧は低下します。
そのままでは、ショック状態へと移行することがあります。


Ⅲ度
Ⅱ度の症状に加えて、さらに意識障害が起こります。
ショック状態へと移行し、体温中枢が破壊されることから、
全身の多臓器不全を引き起こします。
すみやかに治療しないと死に至る可能性があります。


熱中症における多臓器不全では、
中枢神経系:神経細胞の壊死、脳浮腫、脳内出血など。
心臓:心筋の壊死、出血、虚血
血液:血液細胞の障害と壊死、血液濃縮、血漿タンパク質の変性と破壊、DIC(播種性血管内凝固症候群)など。
腎臓:糸球体細胞の壊死、尿細管の壊死など。
肝臓:肝細胞の壊死
消化管:虚血や消化管粘膜細胞の壊死
筋肉:筋肉組織の壊死・融解
呼吸器系急性呼吸速迫症候群ARDS
その他にも、全身の細胞にも大きな影響を及ぼし、
すべての変化が同時に起こります。


重度の熱中症では、かならず血液検査を行います。
初期の段階で、血液の中に有核赤血球が顕著に増加した場合
死亡する可能性がとても高いため、
予後判定にも利用されます。



熱中症の疑いがあれば、
すぐに身体を冷やし、
かかりつけの動物病院か、その提携救急病院に連絡し、
応急処置の指示を仰ぎ
搬送しましょう。


肛門で体温が測定できれば、測定します。

体温が40.5~41℃であれば身体を水で冷やし、送風しましょう。

体温が41℃以上であれば、
流水に身体をつけて送風し、
首や内腿などの太い血管がある部位にはアイスパックを当てます。

四肢のマッサージも末梢血管からの熱放散効率を上げる意味でも有効です。
(注意:氷水に漬けることは末梢血管が収縮して熱放射を妨げてしまうために注意です。)
そして病院の指示を仰ぎ、すみやかに搬送しましょう。


先に述べたように、
熱中症は、外的要因と内的要因が組み合わさって、発病します。
そのため、症状も回復の度合も一頭一頭異なります。



できるだけ予防をこころがけましょう。
それには
犬の飼育環境やお散歩・運動の時間など、
無理のないように犬の気持ちを考えて選ぶことが大切です。








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