これは
「君が代から神が代へ」上巻からの一部抜粋です。

君が代から神が代へ 上巻
森井 啓二
きれい・ねっと
2018-12-18




現在スピリチュアリストという言葉は一般的ですが、
スピリティストについてはあまり知られていません。




今日はスピリティストの治療について学び、
それを
現代の医療現場にどのように活かすことが出来るか
を考えみたいと思います。

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現代医学でも、
さらにどの治療法でも現世においては治療不可能な病気も存在します。

1800年代のフランスの教育者アラン・カルディックは、
とても興味深い視点から治療不可能な病気について述べています。


その要旨は次のようなことでした。
「現代医学や霊能力による治療でも治らない病気はある。
それは病気を持つ人にとって、まだ学びの課程が終了していないために、自分自身の高次の意識が病気を破棄するわけにはいかない状況にあるのです。」

アラン・カルディックは、
本名がイポリット・レオン・デニザード・リヴァイユです。
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彼は
ブラジルでの心霊治療を無償で行う霊魂主義者運動が広まったきっかけの一人です。

霊魂主義は、
スピリチュアリストとは違い、
スピリティストといいます。
 

フランスからブラジルにやってきたリヴァイユは、
現地で
テーブルタッピング
という霊がテーブルをたたいて質問に答えてくれる降霊現象を目撃しました。

日本でいう「こっくりさん」のようなものでしょうか。 


彼は、
当初テーブルタッピングをいかがわしいものと見なしていたのですが、
ある日の社交パーティーで
テーブルタッピングに誘われて、
その不思議な現象に興味を持ち始めました。

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そして、
テーブルタッピングが本物であるならば、
自動書記も出来るはずだと確信し、 
ペンを握り、霊に何か書いてほしいと祈ると、
自動書記が出来たのです


 
リヴァイユは、
自動書記で、
アラン・カルディアックと名乗るように指示されました。

それは、
リヴァイユが過去世から縁のある古代ケルト人の司祭の名前でした。

彼は、
フランスで「The book of the Spirits」を出版し、
フランス、そしてイギリスで話題になりました。

その後、
その本はブラジルに拡がり、
ブラジルで大評判となりました。

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その後にも
「The Book of Mediums」
「The Gospel As Explained by Spirits」
「Heaven and Hell」
など
次々と著作も評判になりました。

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当時のブラジルでは、
アフリカからの移民たちが持ち込んだ激しいリズムとさまざまな神々の信仰が庶民に拡がっていましたが、
それは上流階級の人々にはなじめないものだったのです。

一方、
ブラジルの第二外国語はフランス語であり、
上流階級の人々はフランスへの憧れもあったことから、

暗く汚れた部屋でのドラムのリズムに乗った儀式ではなく、

立派な建物の中でおごそかに知的な儀式を行う彼の方法に共感を持ったのです。

ブラジルでは
いくつかの郵便切手としても使われていることからも、
彼の影響力の強さがわかります。

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スピリティストたちは
身体の病気は、霊的な歪の表れとして

いくら身体的な病気を治しても、
霊的な成長を無視すれば身体の病気は再び現れる
という考えを持っています。

 「身体の病気は、霊的な歪みの表れであり、
治癒過程を通して霊的に成長しないのであれば、
身体の病気を治してもそれは一時的なもので、
また再び病気になります。」
アラン
 
そのため、
彼らは通常の治療に加えて
霊体マッサージなども取り入れています。

つまり患者さんのオーラに触れながら、
エネルギー体をマッサージしていくのです
 
さらに
カウンセリングも治療の一環として行います

個人的な問診をしっかりと行い、
そこに潜む問題点を一緒に考え、
さらに
霊媒たちを通して得たアドバイスも行います。


霊媒たちからのアドバイスは、
カウンセラーに渡され、
カウンセラーから患者さんへ伝えます。


例えば、
「もう少し家族との時間を作るように。家の中で不機嫌になる必要はない。忍耐強くなりなさい。ホメオパシーの治療があなたには適している・・・。」
などといった内容の助言が与えられます。


重篤な病気の場合には、
複数の霊媒師たちで意見交換をして、
多角的な見方をすることで、 
よりよい医療へと高める努力をしているのです。


また、
病気を通して、
一人の人が霊的に成長し、
それが人類すべての人への貢献へとつながっていくという理念
も持っています。


さらに、

患者の病気を治す手助けをすることによって、
この地球上のすべてに貢献でき、
平和で健全な地球環境を実現していく行為が、
治療家自身をも癒す最高の手段だと考えているのです。


アランは、
よく「すべての出来事には、それが起こる理由がある」と述べていました。


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現代の最先端の西洋医学には、
スピリティストが行うような肉体+心+精神まで一貫した治療は一般的ではありません。

でも、
そこには現代医療に欠けている大切な歯車の一つがある
と感じます。


現在、
ブラジルには、
医師のみで構成されたスピリティストの会も存在します。



病気とは、
その人が何らかの形で自然の摂理から外れたというサインです。

治療家はただ単に病気を治すだけではなく、

その人が、
病気や治療を通した経験によって、
より霊性を高めてくれることが最も大切
だということを念頭に置くべきだと思います。


病気という石につまずいたら、
その石を憎んで避けるか、
踏み台として利用するかは
その人の選択にかかっています。

治療家は、
その患者さんの選択をより良い方向に向かわせる手助けが出来る仕事だと思います。



スピリティストの治療においては、
通常の医療における数分だけの診察と比べると、
その長いカウンセリングの時間に
治療家の考え方がより治療される患者さん側に伝わり、
共有できます。


病気が、「愛」や「自分自身に向き合うこと」「忍耐」を学ぶための学習であるならば、
治療される側も治療する側も共に
それを意識することが大切だと思います。



今回はこの書籍からの抜粋です。

君が代から神が代へ 上巻
森井 啓二
星雲社
2018-12-18






今日もありがとうございます。

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森井 啓二
星雲社
2018-12-18