最後の一頭
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先日米国ヨセミテ国立公園に99年ぶりアカギツネが現れました。

  redfox1 LiveScience

ケンタッキー州では1860年代の南北戦争以来初めてヤマネコが発見されました。
この地域では絶滅と考えられていた貴重な個体です。
が、
射殺。
lion112FOX NEWS
最後の一頭かもしれなかったのに・・・。

さらに、
米国アイオワ州でも89年ぶりにハイイロオオカミが発見されました。
が、
また、射殺
こちらも最後の一頭だった可能性があります。

gray11The Guardian

米国ノースカロライナ州では、世界にたったの100頭しか生存していない貴重なアカオオカミ
次々と射殺

redwol11WildLifeExtra.com

ユタ州で射殺された貴重なハイイロオオカミは、グランドキャニオン近くで70年以上ぶりに確認された「エコー」と名付けられた、とても貴重な個体だったことが判明しました。
wolf11 The HuffinghtonPost



まだまだありますが
このような話を聞くたびに本当に残念に思います。
人は何故、平気でこのような行為をしてしまうのでしょう。

その地域で、世界で、最後の一頭になった時、
どこを探しても仲間が消えてしまった時、

どのような思いなのでしょうか?

英国の動物行動学者ライアル・ワトソンがかつて暮らしていた
クニスナ地区で
最後まで生き残びた一頭の年老いた雌象
メイトリアーク
の話を思い出します。
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その物語は彼の著書「ELEPHANTOMS」の中に詳細に書いてあります。

メイトリアークが暮らしていたクニスナ地区は南アフリカの最南端になります。
地図の下の方の黄緑色の部分です。
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ある日、ライアルが海に向かってクジラを観察していると、
クジラが発する空気の響きを感じることが出来たのです。
しかし、
クジラが海の中に潜ってしまった後も、
まだ空気の響きが感じられたのです。
それが今度は森の方角からの響きだったことがわかりました。


その響きの元は、
クニスナ地区で最後まで生き延びたゾウ「メイトリアーク」だったのです。

matriarch メイトリアーク

メイトリアークは、すでに群れの仲間をすべて失い
誰とも一緒にいることもできず、
完全な孤独でした。

彼女が海に向かうと、響きは止まりました。
これを見ていたライアルは天涯孤独となった年老いたゾウを見て
胸が締め付けられる思いになりました。

すると、再び、空気の響きが始まったのです。
ここは原文のまま載せておきます。

The throbbing was back in the air. I could feel it, and I began to understand why. The blue whale was on the surface again, pointed inshore, resting, her blowhole clearly visible. The Matriarch was here for the whale! The largest animal in the ocean and the largest living land animal were no more than a hundred yards apart, and I was convinced that they were communicating. 


「再び、空気に響きが戻ってきた。
私はそれを感じ、その意味を理解し始めた。
シロナガスクジラが再び海面にやってきて、
岸の方を見て、じっとしていた。その潮吹きの穴まではっきり見えるほどだった。
メイトリアークはここに、クジラに会いに来たのだ。
海で世界最大の動物と陸で世界最大の動物は100ヤードも離れてはいなかった。
そして、
私は、彼らが会話していることを確信した

eleph

そう、ゾウとクジラが会話をしていたのです!
空気の響きは、彼らの発する低周波。
ゾウは耳と足の裏、クジラは顎で音を感知することが出来ます。

ゾウとクジラには、人には聴こえない共通の低周波数があるのです。
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ライアルはこの時、はっきりとゾウとクジラが会話しているのを感じたそうです。

私たちも、たった一人だけになってしまったら、
一体どんな気持ちになるのでしょうか?

いま地球上では、年間30,000種が絶滅しています。

さまざまな種の最後の一頭が地球上から去るということが、
毎日発生しています。
多くの種が絶えても、人はほとんど関心がない。

ゾウの「メイトリアーク」はクジラとどのような会話をしたのでしょう。

ゾウもクジラも、すべてがつながっていることを知っているのでしょう。
全ての生き物は、地球と繋がり、地球は太陽と繋がり、太陽は銀河と繋がり、
そして銀河はすべての生き物と密接に繋がっている。

それは人の身体でいえば、
歯が痛くても全身でその痛みを共有し、
腎臓が弱ったら活力減退を全身で共有する。

それは生体すべてがひとつのものだから。


だから、
クジラは、ゾウの気持ちを共有し合うことが出来るのです。


それと同様に、
この宇宙のすべてのものは、ひとつに繋がっている。
私たちがそれを知ったら、
すべての存在に共感し、すべての存在に優しくできる。

その時、
あらゆるものが、かけがえのない大切な存在であることを
知ることになるのでしょう。


今日もありがとうございます。
いつもありがとうございます。


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