かわいいシカさんにも角があります。

角には、さまざまな役割があると言われています。
その中で、オス同士の優位性の争いにも角を使います。

今日は、生存のための役割についてのお話です。

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自然界では、強いオスがメスと交配して、
よりよい子孫を残そうとする本能があります。

シカの角も、オス同士の力を示すための最も大切な器官です。

シカの角は、毎年生え変わります。
春先の角の生え始めは、
柔らかく、
温かい感触です。
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シカは秋の発情期のオス同士の争いに備えるために、
それまではシカ同士の争いがあっても、
角を使うことはしません。


万が一、角に傷がついてしまっては、
発情期の争いに勝つことができないからです。

そのため、
角が柔らかいうちは、オスの性格は比較的おとなしくなります。


発情期前になると、大切な角を樹皮に擦りつけて研ぎ、
メンテナンスしておきます。

そして発情期には、オスの強さを見せて、メスを獲得するために争うのです。

どの生き物も、
身体的に強いオスだけが、繁殖することが出来て、
次世代に「優秀な遺伝子」を継代していきます。




英国イーストアングリア大学の研究チームは、
オス同士の争いによる強いオスがメスと交配できるシステムは、
種の存続に、どのくらい役に立っているのかを実験で確かめています。

研究は、約10年間に渡り行われました。
ゴミムシダマシ科の甲虫コクヌストモドキを使い、
オスとメスの割合を様々にした環境下で
50世代以上継代し、観察しています。
beetle1bUniversity of East Anglia


二つの群を作りました。
A:90匹のオスに対して、たった10匹のメスを入れた群。
B:オスとメスを一対一のペアにして、オス同士のメス獲得競争が全く無い群。




それぞれの群を約7年間継代しています。

その後、
環境ストレスを負荷して、各群の反応を観察しています。

結果は、
メスを獲得するために争いが必要だったオスの多いA群では、
環境ストレスに対して強い耐性を示しました。

群が絶滅するまでに、20世代以上生き延びたのです。

一方、
メス獲得のための争いが必要無いB群では、
環境ストレスに弱く、
10世代の間にすべて絶滅してしまいました。



この実験の結果からは、
オス同士の争いにより強く逞しいオスの優位性は、
種の存続に大きく影響を与えるということでした。



それはオスメスのことだけではありません。
たとえば、
野菜。
現在のほとんどの野菜は、
品種改良され、
化学肥料や農薬漬けで、
ひょろひょろと育てられます。

人の手が加わらないと、すぐに枯れてしまいます。

自然から離れれば離れるほどに、
どこか自然の摂理とは異なる方向へ行ってしまいます。


そして、それは、
人間も同じこと。


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