「西ヨーロッパの沿岸には、もうわずかなオルカしか生息していない。
地中海や北海からは、
既にオルカは消えてしまった・・・。
スコットランドとアイルランド沖には
あと8頭しか残されていない。
そして生き残っているオルカも、
とても小さく、繁殖能力はもう無い。」
今回大規模な調査を行った
研究チームの主任である英ロンドン動物学会のポール・ジェプソン獣医師の言葉です。
BBC
その大きな原因の一つが、
PCB。
PCBは、
Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略で、
たくさんあるポリ塩化ビフェニル化合物の総称です。
脂肪に容易に溶ける性質から
体内に摂取されると徐々に蓄積していき、
皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常、発癌性などを始め、
様々な有害症状を引き起こすことが報告されています。
PCBの毒性が世間に知られるようになったものに
昭和43年のカネミ油症事件がありました。
この事件は、米ぬか油の製造中に、
媒体として用いられたPCBが混入してしまい
約1万3千名以上の人が中毒症状で苦しみました。
その後、
1970年代には製造使用が禁止されたものの、
大量に残った在庫の不適切な処分や
PCB使用製品の不適切な廃棄などにより、
いまだに垂れ流しと同じような事態となっています。
欧州では、1954年から1984年までの間に
約30万トンものPCBが製造されました。
これは、世界全体の使用量の15%です。
これらPCBは世界中で垂れ流されてしまいました。
そして、一見すると
公の場からは無くなったように思えますが、
世界中に残留したまま
最終的には
海に流れ、
生物濃縮されていくという事態になってしまいました。
海洋哺乳類は、
体脂肪が分厚く、PCBが容易に蓄積されます。
さらに
PCBの排出する能力に乏しいために、
食物連鎖の頂点に立つ海洋哺乳類は
生物濃縮の影響を最も強く受けるのです。
さらに
母乳の脂肪分にも含まれるために
母乳を介して次世代へも有毒物質として受け継がれていってしまいます。
海洋哺乳類の母乳は
特に脂肪分が多いことで知られています。
母親オルカは、
子供を出産すると
自分に蓄積されているPCB濃度が約40-50%、
最大90%減少するのです。
つまり
その分、母オルカに蓄積されていたPCBが
赤ちゃんに移行していることになります。
そして出産年齢を過ぎると
再びPCB濃度が上昇していきます。
これは赤ちゃんオルカにとって
とても大きな重荷になります。
生まれた直後からPCBが体内に蓄積されるだけでなく、
生きている限り
さらにPCBを摂取し続けるのです。
それ以前に
現在ではオルカがPCBなどによって繁殖障害を引き起こしてしまい、
子供を産めないために
雄も雌も同じPCB濃度になっていたのです。
南欧州に生息する36頭のオルカの群れの調査では、
1999年から2011年の間に
たったの5頭の子供しか生き延びられませんでした。
clippervacations.com
そして
海洋汚染は、PCBだけではありません。
特に問題視されているのは、
残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)
POPs
と呼ばれています。

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地中海や北海からは、
既にオルカは消えてしまった・・・。
スコットランドとアイルランド沖には
あと8頭しか残されていない。
そして生き残っているオルカも、
とても小さく、繁殖能力はもう無い。」
今回大規模な調査を行った
研究チームの主任である英ロンドン動物学会のポール・ジェプソン獣医師の言葉です。

その大きな原因の一つが、
PCB。
PCBは、
Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略で、
たくさんあるポリ塩化ビフェニル化合物の総称です。
脂肪に容易に溶ける性質から
体内に摂取されると徐々に蓄積していき、
皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常、発癌性などを始め、
様々な有害症状を引き起こすことが報告されています。
PCBの毒性が世間に知られるようになったものに
昭和43年のカネミ油症事件がありました。
この事件は、米ぬか油の製造中に、
媒体として用いられたPCBが混入してしまい
約1万3千名以上の人が中毒症状で苦しみました。
その後、
1970年代には製造使用が禁止されたものの、
大量に残った在庫の不適切な処分や
PCB使用製品の不適切な廃棄などにより、
いまだに垂れ流しと同じような事態となっています。
欧州では、1954年から1984年までの間に
約30万トンものPCBが製造されました。
これは、世界全体の使用量の15%です。
これらPCBは世界中で垂れ流されてしまいました。
そして、一見すると
公の場からは無くなったように思えますが、
世界中に残留したまま
最終的には
海に流れ、
生物濃縮されていくという事態になってしまいました。
海洋哺乳類は、
体脂肪が分厚く、PCBが容易に蓄積されます。
さらに
PCBの排出する能力に乏しいために、
食物連鎖の頂点に立つ海洋哺乳類は
生物濃縮の影響を最も強く受けるのです。
さらに
母乳の脂肪分にも含まれるために
母乳を介して次世代へも有毒物質として受け継がれていってしまいます。
海洋哺乳類の母乳は
特に脂肪分が多いことで知られています。
母親オルカは、
子供を出産すると
自分に蓄積されているPCB濃度が約40-50%、
最大90%減少するのです。
つまり
その分、母オルカに蓄積されていたPCBが
赤ちゃんに移行していることになります。
そして出産年齢を過ぎると
再びPCB濃度が上昇していきます。
これは赤ちゃんオルカにとって
とても大きな重荷になります。
生まれた直後からPCBが体内に蓄積されるだけでなく、
生きている限り
さらにPCBを摂取し続けるのです。
それ以前に
現在ではオルカがPCBなどによって繁殖障害を引き起こしてしまい、
子供を産めないために
雄も雌も同じPCB濃度になっていたのです。
南欧州に生息する36頭のオルカの群れの調査では、
1999年から2011年の間に
たったの5頭の子供しか生き延びられませんでした。

そして
海洋汚染は、PCBだけではありません。
特に問題視されているのは、
残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)
POPs
と呼ばれています。
自然に分解されにくく生物濃縮によって人体や生態系に害をおよぼす有機物のこと。
PCBの他にも
ダイオキシン類やDDTなどの殺虫剤などがあります。
さらに現在では医薬品などのホルモン攪乱物質も大量に廃棄されています。
オルカは寿命が長いために、
急速に海から消えていくことはないので
赤ちゃんオルカがいなくなっても
気が付きにくいのです。
でもこのたいへんな事態に気が付いた時には、
すでに
完全に手遅れとなります。
私たちにもできることはたくさんあります。
身の回りを見渡していましょう。
多くの化学物質に囲まれ
プラスティックなどの化学工業製品を使い、
医薬品をたくさん利用します。
風邪をひいただけで
本当にたくさん薬が必要なのでしょうか?
使い捨ての製品が本当にそんなに必要なのでしょうか?
一人一人の気遣いが、
すこしづつでも増えていけば
どれだけ大きく地球環境に貢献していくことでしょう。
PCB&POPsの問題は
オルカだけではありません。
生物全体の問題です。
こちらも
「オルカとネイチャーネットワーク構想」
「残留し続けるDDT」
「見えない汚染:マイクロプラスチックと「木喰草衣心似月」」
今日もありがとうございます。
現状を多くの人に知っていただくために、
是非クリックをお願いいたします。
ダイオキシン類やDDTなどの殺虫剤などがあります。
さらに現在では医薬品などのホルモン攪乱物質も大量に廃棄されています。
オルカは寿命が長いために、
急速に海から消えていくことはないので
赤ちゃんオルカがいなくなっても
気が付きにくいのです。
でもこのたいへんな事態に気が付いた時には、
すでに
完全に手遅れとなります。
私たちにもできることはたくさんあります。
身の回りを見渡していましょう。
多くの化学物質に囲まれ
プラスティックなどの化学工業製品を使い、
医薬品をたくさん利用します。
風邪をひいただけで
本当にたくさん薬が必要なのでしょうか?
使い捨ての製品が本当にそんなに必要なのでしょうか?
一人一人の気遣いが、
すこしづつでも増えていけば
どれだけ大きく地球環境に貢献していくことでしょう。
PCB&POPsの問題は
オルカだけではありません。
生物全体の問題です。
こちらも
「オルカとネイチャーネットワーク構想」
「残留し続けるDDT」
「見えない汚染:マイクロプラスチックと「木喰草衣心似月」」
今日もありがとうございます。
現状を多くの人に知っていただくために、
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コメント
コメント一覧
いつも思うのですが、政治家や大企業の重役にも子供がいるはずです。子供達の未来を考えないのでしょうか?子供達に美しい海や川や森を残したいとは思わないのでしょうか。
本当になさけないです。
考え、やってみます!
まずは、
ブログクリックして、いいね!して、
身近にある洗剤類を気をつけて、ゴミを出さない暮らしを意識して、
関心のある周りの人たちに話してみよう!
ヾ(@~▽~@)ノ
愛の反対は、無関心だのだから、
関心を持ったことを様々な方にお話ししたり、
質問したり、沢山会話したら何かが変わってきますね!!
持続可能な循環型社会を
まずは自分の家からトライします❗️
日常生活を見直して毎日を丁寧に暮らすと、自然と心もきれいに整ってくるでしょうね。