青森県の天然記念物
「寒立馬」(かんだちめ)

Kanndachime_ataka_01Wikipedia



今年初の寒立馬の子馬が生まれました。

20160413-OYT1読売新聞/北村友啓さん撮影
 
寒立馬は、
青森県下北郡東通村尻屋崎周辺に放牧されている馬です。

体型は、
道産子のようにずんぐりしています。
首は太く短く丈夫で、
お腹は大きく
脚も太く
大きなヒズメを持っています。

この体形は、
寒い気候と
放牧されている尻屋崎の土壌が石灰岩質であることも影響しています。

厳しい冬の寒さにも耐えられる馬です。
102kanndachimeWikipedia


寒立馬は、
今は絶滅してしまった岩手県の南部馬の系統です。

南部馬は
明治政府の方針により
外国の馬と交雑が進められ
純血種は途絶えてしまった品種です。


この南部馬を祖とする粗食と寒さに耐えられる田名部馬(たなぶうま)と
外来のブルトン種を交配させて
寒立馬が作られました。


現在、寒立馬だけが
南部馬の血を受け継いで残されています。

かつて
地元の人たちは、「野放し馬(のばなしうま)」と呼んでいました。

昭和初期には
150頭まで増えたそうですが、
昭和47年には、地元の農家の経済的事情などにより
9頭まで減少。
絶滅寸前までいきました。

その後寒立馬保存計画によって
順調に頭数を増やしていき、
80頭にまで回復。

ところが、
牛肉の輸入自由化が実施され、
国内産の需要は低迷してしまったことから
寒立馬を手放す人が続出し、
9頭しか残りませんでした。

そしてまた現在では順調に頭数を増やしています。
寒立馬には、すべての馬に名前が付けられ
大切にされています。


ところが、

この天然記念物は
大切にされる一方で
仔馬たちは育つと
肉用または農用馬として売られてしまうのです。


「寒立馬」は、生息地の東通村尻屋から外へ出した時から「寒立馬」という馬ではなくなり、
ただの農用馬として
青森県畜産農業協同組合連合会が主催する市場へ出されます。

それは厳しい財政の中で
仔馬を売りに出すことで
成り立っているとのことです。

天然記念物が
あっさりと
普通の馬となり
お肉になってしまう・・。


そこで
お肉にされてしまう天然記念物の寒立馬を
助けようとする会も設立されました。

「寒立馬を守る会」
です。
kanndachime「寒立馬を守る会」


オリンピックなど
目立つことには湯水のようにお金が使われます。

パナマ文書で明らかになったように
お金をたくさん儲ける企業や個人は
税金を払わないシステムを利用しています。

もう少し
このような活動、寒立馬を保護するために使われてもいいのにな、
と思います。


こちらもどうぞ
「ひかたま:アハルテケ「黄金の馬」」
「ひかたま:絶滅の縁から帰還したモウコノウマ」
「ひかたま:グレート アバコ島最後の野生馬の死去」



今日もありがとうございます。
ブログランキング参加しています。
よろしければクリックお願いいたします。

 
人気ブログランキングへ