ロシア南東部の美しいバイカル湖。

水が綺麗で
世界一透明度が高い湖として有名です。
「シベリアの真珠」とも称されます。

また
水質は安定し、
外界がら閉ざされている湖であるために
固有の生態系も進化していて、
ガラパゴス諸島と並んで「生物進化の博物館」としても知られています。

南北680kmに及ぶ湖は、
水深も湖として世界で最も深く、
1,634 - 1,741mあります。

そのため、
世界中の凍っていない淡水の20%
この湖に存在すると言われています。



現在
この湖にも急激な水質変化が起きています。


バイカル湖の水を清浄に保つ役割をしているカイメンが
急速に死んでいるのです。


特に観光客が集まるエリアでは
死滅が目立ちます。
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人間の活動による水質汚染やメタンガスによる水質の変化が原因のようです。


カイメンは、
水質浄化能力がとても強いだけでなく、
種類によって多くの生物や微生物と共生しています。

 
環境浄化にも
生物多様性にも
とても役に立っているのです。

 

また、
カイメンは多種多様な成分を含んでいて
最近さまざまな薬効も知られ始めました。

カイメンを応用した薬には、
フロリダ産のカイメンから白血病に効果のあるシトシン・アラビノシドや
カリブ産のカイメンからは抗ウイルス作用を持つアデニン・アラビノシドが比較的よく知られています。
ニュージーランドのリソデンドリクスというカイメンは、ハリコンドリンBという抗癌成分を持ち、
オーストラリア産のカイメンには、抗マラリア作用の物質があることが知られています。

実験段階のものでは、
カリブ産のバゼラというカイメンは、エイズウイルスの複製阻害作用があります。
また別のカリブの深海のカイメンからは、ディスコデルモリドという非常に強力な免疫抑制作用と抗癌作用を持つものがあります。
この物質は、シクロスポリンの千倍もの効果があると期待されています。

 

目立たない生き物ですが、
いろいろと役に立っています。

でも
現在急速に消えつつあります。



このような変化はほとんど報道されることはありません。
でも
こういった些細な変化の積み重ねが
知らないうちに
とても大きな
取り返しのつかない変化へと移っていくことは
よくあることです。


私たちは
もっと声を出さない生き物たちの変化に
気を配るべきです。



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