水圧破砕法という、
地下深くの岩盤(シェール層)に超高圧の水と化学物質を注入して
岩盤を破壊し
無数の亀裂を生じさせる手法があります。
「フラッキング」とも呼ばれています。

これにより、
今までの方法では採掘不可能だった場所に存在する
天然ガスや石油などの掘削が可能になってしまいました。


この方法では
通常深さ2000から3000mの坑井を掘り、
そこから
水平方向に2000から3000mの坑井を掘ります。
そして
その岩盤を破壊しながら
原油やガスを採掘していきます。


cropped-fracking-infographic
sites.psu.edu



この方法によって
石油会社は再び膨大な利益を得ることとなりました。

それと引き換えに
大地を支える重要な岩盤は、
ひどく破壊されることとなります。

でも
破壊し尽くすのは
ひと目につかない深い地下のために、
どれだけ大きな被害を起こしても
誰にもわからないのです。



いつくかわかっている問題を挙げてみましょう。

大量の水を使用
米国環境保護局EPAのデータでは、
2010年に約3万5千の油田の水圧破砕法に使用した水の量は、約2,700億から5,300億リットルと見積もられています。大都市で通常使用する水の量に相当します。
水圧破砕法で使用する水は、
貯留水や地下水を汲み上げ、トレーラーによって運搬されるので、水を採取する地域の水不足や大気汚染、道路状況の悪化などの一因となります。


有毒化学薬品の使用と情報公開義務の欠如
水圧破砕法に使用される約600種類もの化学物質は、人や動植物に悪影響を与えます。
これらの化学物質は、州によっては情報を公開する義務がないために、何がどれだけ使われているのかを告知することはありません。

原油流出による地下水と土壌の汚染
原油流出はさまざまな段階で発生しています。
岩盤の破壊場所だけではなく、
ピットと呼ばれる採取した混合液を一時的に貯留しておく人工池からの流出や、
パイプラインからの漏洩事故による川や大地の汚染は著しいものです。

米国環境保護局の調査では
2006~2012年の7年間にかけてノースダコタ州、コロラド州、ペンシルバニア州、ニューメキシコ州の4つの州で、
水圧破砕法作業中の原油流出とガス漏れは
457件あったことを公表しています。

この事故件数は、
水圧破砕作業中 (数日~数週間) に発生したものに限られています。

デューク大学の研究チームが調査した結果では、
米国環境保護局の調査と同じ4州を対象にしています。

その結果、
2005~2014年の10年間における原油流出とガス漏れ事故件数は、
政府が公表した漏れ事故件数の14倍以上の6,648件が確認されました。  


その中には、
なんと
10万リットルもの原油流出事故も含まれていました。

ところが、
地下深い部分なので
誰も深刻には考えないのです。

 

fracking-natural-gas-image bigthink.com


地下水汚染
水圧破砕法で使われる化学物質が地下水脈に混入していることが疑われるケースが発生しています。

砂とプロパント原材料の掘削
水圧破砕法で破壊した岩盤の亀裂が塞がるのを防ぐために使われているプロパントという材料の原料である砂等の掘削による環境への影響も問題化されています。

大気汚染
水圧破砕法で使用される化学物質や
行程で発生するメタンガスなどによって
大気が汚染され
周辺住民の健康問題に発展しています。


騒音・振動による被害
水圧破砕法には大きな騒音と振動が発生します。
それが原因で
病気になったり引っ越しせざるをえない人が続出しています。


廃液処理
水圧破砕法に使用された膨大な量の水と化学物質の廃液の25~100%は、
放置されています。


地震
水圧破砕法によって深い岩盤を破壊されてしまった地域では
多数の地震が発生して問題となっています。
この問題を放置すると大地震に繋がる可能性があるとも推測されています。

この図は、
水圧破砕法をはじめたオクラホマ州の地震発生数のグラフです。

Oklahoma-earthquakes-graph1 quenchnj.com



一番大きな問題は、
製油業界の力が強く
政府も企業の利益を優先させているのが現状です。

水圧破砕法による環境破壊と地下汚染の検証は
極めて難しく
大地を破壊していることについての糾弾は
実質上不可能なのです。
 

だから、
やりたい放題。
大地がどう汚染されようと
ばれないから
お金儲け優先になっています。


今だけよければ、
見えないところはどうなってもかまわない
という行動は、
現在あらゆるところで見られます。

法律に触れなければ何をしてもよいとか、
見えないところでは悪事を働いてもよいとか、
動物でさえ絶対にやらないことです。

明るい未来を築くためには
理念理想と言動を一致していくことです。


 
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