大きな健康被害から社会問題となった「茶のしずく石鹸」。
2004年3月から販売されたこの石鹸の
重篤な被害報告が
2009年の日本アレルギー学会で報告され、
それ以来、
全国から被害報告が続出しました。
この問題に関する特別委員会は
茶のしずく石鹸販売から11年経って
2015年5月末日で解散しましたが、
同疾患の疫学調査は継続して行われてきました。
今回は
「茶のしずく石鹸」に含まれた加水分解コムギによるアレルギーに関する障害実態把握のための疫学調査の結果が発表されました。
日本アレルギー学会プレスリリース
6月 17 日に、
免疫アレルギー分野では権威ある臨床医学雑誌一つとされる
「Journal of Allergy and Clinical Immunology 」に掲載されました。
その結果では
「茶のしずく石鹸」を使用した人たちに、
数多くの健康被害が発生し、
さらに
新たな小麦アレルギーを誘発し、
多くの人が生命のリスクにさらされた実態が明らかになっています。
該当する茶のしずく石鹸は、
2004年3月から
約4650万個が販売されています。
厚生労働省は、
2010年10月に消費者に対し、
加水分解コムギを使った石鹸全般に対する注意を発表しました。
茶のしずく石鹸が販売停止したのは
その約2ヶ月後の2010年12月でした。
今回の疫学調査は、
2012年4月から2014年10月まで行い、
全国270の医療施設を受診した明らかに茶のしずく石鹸による被害例
2,111例が明らかにされました。
さらに
この中から詳細な症状が確認できた899例を調査し、
症例の25%がアナフィラキシーショックを経験し、
43%が呼吸困難を経験していることが判明。
これらは
命に関わる事態です。
今までも
加水分解された小麦のタンパク質(加水分解コムギ)は、
さまざまな化粧品に使用さ れてきました。
でも、
茶のしずく石鹸のような大規模な副作用被害の報告はありせんでした。
加水分解コムギを入れることによって
皮膚表面の保湿力が高まったようになり、
石鹸の泡立ちにも、もちもち感が出てくるのです。
本来は全く必要のない成分ですが、
こういったものを何故か消費者は喜ぶのです。
そして
今までは他の化粧品で問題にならなかったのに
茶のしずく石鹸で健康被害が続出した理由は、
加水分解の分子量が大きかったため
と言われています。
通常は、
分子量が1000以下を使用するとアレルギーは起こらないとされていて、
使用されますが、
茶のしずく石鹸では、
体に危険がある可能性があるとされる分子量50000〜60000のグルパー19Sと呼ばれている加水分解コムギを使用していたようです。
分子量が大きいものを使用すると
もちもち感が出るからです。
そして、
この特定加水分解コムギ(グルパー19S)を含有した茶のしずく石鹸を使用すると、
皮膚や粘膜に接触し、吸収されることによって、
体内グルパー19Sに対する特異的IgEが産生されて、
それが通常の生活において口から摂取した小麦タンパク質と交差反応を起こしたことで、
アナフィラキシーなどのアレルギー反応を引き起こしてしまったようです。
プレスリリースに
石鹸の使用中と
小麦を摂取した時の被害の詳細が記されています。
日本アレルギー学会プレスリリースより
厚生労働省がいくつかの症例を
の中で発表しています。
その一例(抜粋)を転記してみます。
30代女性の症例
3ヶ月後
もちろん
現在市販されている新しい「茶のしずく石鹸」には
危険なグルパー19Sは使われていません。
消費者は
無添加を高いお金を出して購入する一方で、
いらないはずの余分な成分を付加価値だと思って
さらに高額な金額を払って購入する傾向があります。
本当にいいものは、
シンプルでいいはず。
本当に真から皮膚や髪を美しく保ちたいのであれば
体の内側から健康になることが良いのではないでしょうか?
こちらも
ひかたま:身近な日用品の毒物:薬用せっけん編
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2004年3月から販売されたこの石鹸の
重篤な被害報告が
2009年の日本アレルギー学会で報告され、
それ以来、
全国から被害報告が続出しました。
この問題に関する特別委員会は
茶のしずく石鹸販売から11年経って
2015年5月末日で解散しましたが、
同疾患の疫学調査は継続して行われてきました。
今回は
「茶のしずく石鹸」に含まれた加水分解コムギによるアレルギーに関する障害実態把握のための疫学調査の結果が発表されました。

6月 17 日に、
免疫アレルギー分野では権威ある臨床医学雑誌一つとされる
「Journal of Allergy and Clinical Immunology 」に掲載されました。
その結果では
「茶のしずく石鹸」を使用した人たちに、
数多くの健康被害が発生し、
さらに
新たな小麦アレルギーを誘発し、
多くの人が生命のリスクにさらされた実態が明らかになっています。
該当する茶のしずく石鹸は、
2004年3月から
約4650万個が販売されています。
厚生労働省は、
2010年10月に消費者に対し、
加水分解コムギを使った石鹸全般に対する注意を発表しました。
茶のしずく石鹸が販売停止したのは
その約2ヶ月後の2010年12月でした。
今回の疫学調査は、
2012年4月から2014年10月まで行い、
全国270の医療施設を受診した明らかに茶のしずく石鹸による被害例
2,111例が明らかにされました。
さらに
この中から詳細な症状が確認できた899例を調査し、
症例の25%がアナフィラキシーショックを経験し、
43%が呼吸困難を経験していることが判明。
これらは
命に関わる事態です。
今までも
加水分解された小麦のタンパク質(加水分解コムギ)は、
さまざまな化粧品に使用さ れてきました。
でも、
茶のしずく石鹸のような大規模な副作用被害の報告はありせんでした。
加水分解コムギとは、
コムギを酵素や塩酸などを使って細かく分解したもので、
加水分解することで水に溶けやすくなり、
化粧品や石鹸などに入れることができるようになります。
コムギを酵素や塩酸などを使って細かく分解したもので、
加水分解することで水に溶けやすくなり、
化粧品や石鹸などに入れることができるようになります。
加水分解コムギを入れることによって
皮膚表面の保湿力が高まったようになり、
石鹸の泡立ちにも、もちもち感が出てくるのです。
本来は全く必要のない成分ですが、
こういったものを何故か消費者は喜ぶのです。
そして
今までは他の化粧品で問題にならなかったのに
茶のしずく石鹸で健康被害が続出した理由は、
加水分解の分子量が大きかったため
と言われています。
通常は、
分子量が1000以下を使用するとアレルギーは起こらないとされていて、
使用されますが、
茶のしずく石鹸では、
体に危険がある可能性があるとされる分子量50000〜60000のグルパー19Sと呼ばれている加水分解コムギを使用していたようです。
分子量が大きいものを使用すると
もちもち感が出るからです。
そして、
この特定加水分解コムギ(グルパー19S)を含有した茶のしずく石鹸を使用すると、
皮膚や粘膜に接触し、吸収されることによって、
体内グルパー19Sに対する特異的IgEが産生されて、
それが通常の生活において口から摂取した小麦タンパク質と交差反応を起こしたことで、
アナフィラキシーなどのアレルギー反応を引き起こしてしまったようです。
プレスリリースに
石鹸の使用中と
小麦を摂取した時の被害の詳細が記されています。

厚生労働省がいくつかの症例を
の中で発表しています。
その一例(抜粋)を転記してみます。
30代女性の症例
約2 年前
加水分解コムギ末を含有する石けんを使用。
その頃から顔の痒み、口の周りの痒み、目の周りの痒みなどあり、近医皮膚科受診。アトピー性皮膚炎と診断され、タクロリムス軟膏やステロイド軟膏処方されるも改善に乏しかった。
その後、その他の皮膚科、眼科転々と受診するもやはり改善を認めなかった。
症状は特に入浴後に増悪することが多く、
症状は経年的に悪化する傾向にあった。
発現日
その頃から顔の痒み、口の周りの痒み、目の周りの痒みなどあり、近医皮膚科受診。アトピー性皮膚炎と診断され、タクロリムス軟膏やステロイド軟膏処方されるも改善に乏しかった。
その後、その他の皮膚科、眼科転々と受診するもやはり改善を認めなかった。
症状は特に入浴後に増悪することが多く、
症状は経年的に悪化する傾向にあった。
発現日
入浴後に強い鼻炎症状も出現するようになる。
2ヵ月後
2ヵ月後
会社の帰宅途中に目の痒み、眼瞼・眼周囲の腫脹、顔面の発赤腫脹などあった。
ラーメン、ビールなど摂取して5 分歩行後、目の痒みが始まる。
その後、眼瞼・眼周囲の発赤腫脹、手掌の発赤と腫脹、全身発赤と痒みを認めた。
その後、眼瞼・眼周囲の発赤腫脹、手掌の発赤と腫脹、全身発赤と痒みを認めた。
3ヶ月後
パン摂取した後テニスを開始し15 分後、
目の痒みから始まり、眼瞼発赤腫脹、顔面の発赤腫脹、手掌の発赤腫脹、全身の発赤と膨疹出現し、
その後血圧低下、腹痛、下痢あり、
アナフィラキシーの診断で入院。
4ヶ月後
目の痒みから始まり、眼瞼発赤腫脹、顔面の発赤腫脹、手掌の発赤腫脹、全身の発赤と膨疹出現し、
その後血圧低下、腹痛、下痢あり、
アナフィラキシーの診断で入院。
4ヶ月後
入浴後に顔面に膨疹、眼瞼腫脹出現するようになる。
パスタ、ケーキ摂取後歩行し症状出現. 目の痒みから始まり、
眼瞼腫脹、全身の発赤と膨疹を認めた。
半年後
眼瞼腫脹、全身の発赤と膨疹を認めた。
半年後
小麦アレルギーと診断され紹介受診。食物負荷試験を行った。
【検査所見】血清総IgE 値 440 IU/mL
<CAP-RAST> 小麦 14.20 Ua/ml(class 3)、グルテン 15.40 Ua/m
l(class 3)
<Prick test 膨疹径>
当該石けん 3mm、0.3%加水分解小麦 12mm
<食物負荷試験>
入院管理下にて、パン摂取したのち運動負荷を行った。
眼の痒みと腫脹から始まるアナフィラキシーが誘発された。
【診断】
・当該石けん中の加水分解小麦による接触性蕁麻疹、アレルギー性結膜炎
・小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)
当該「茶のしずく石鹸」中の加水分解小麦の感作がWDEIA の発症原因となっている可能性を疑い、
小麦摂取後の運動の中止のみならず、当該石けん使用を中止。
小麦摂取後の運動の中止のみならず、当該石けん使用を中止。
洗顔後の眼瞼腫脹、顔の痒みなどの症状すべて消失。
現在のところWDEIA が改善しているかどうかは評価できていない。
もちろん
現在市販されている新しい「茶のしずく石鹸」には
危険なグルパー19Sは使われていません。
消費者は
無添加を高いお金を出して購入する一方で、
いらないはずの余分な成分を付加価値だと思って
さらに高額な金額を払って購入する傾向があります。
本当にいいものは、
シンプルでいいはず。
本当に真から皮膚や髪を美しく保ちたいのであれば
体の内側から健康になることが良いのではないでしょうか?
こちらも
ひかたま:身近な日用品の毒物:薬用せっけん編
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