今年
ブラジルでは異常な数のクジラが打ち上げられています。

103頭。
主にザトウクジラです。

103頭中
ザトウクジラの通り道であるバイーア州だけでも41頭。


whalesthebigwobble.org

これは
今までにはなかったこと。

そして原因は、確定されていません。

現地のクジラ保護団体Whale Institute Jubarteによると
ザイトウクジラの生息数が増加したことに加えて
人為的な要因もあると推測しているそうです。

座礁したザトウクジラたちの多くには
漁網によって傷ついた跡が残されているからです。



やはり
今年
北米大西洋側で起こった絶滅危惧種であるタイセイヨウセミクジラの大量死の原因は、
船との衝突や漁網に絡まったことだったことが
詳細な調査の結果、判明しています。





ザトウクジラの大量死は
南米ブラジルだけではありません。


今年は、
北米東海岸でもザトウクジラの大量死が発生しています。

kknoaa.gov
PHOTO - deceased humnoaa.gov



また今年は
南アフリカでもザトウクジラの極めて異例な事態が目撃されています。

基本的に単独で行動する習性を持つザトウクジラが
南アフリカ沖で
200頭も集結していたのです。


kkonatgeo.nikkeibp.co.jp

ザトウクジラが3~4頭集結するところは目撃されたことがありました。

でも、
この数が一度に見られるのは
初めてのことでした。





専門家は
地球環境の大きな変化が影響しているとみています。




2015年からは
ハワイでも
ザトウクジラの大きな異変がありました。

ハワイ周辺の海域には、
毎年11月から翌年の5月まで
およそ10,000頭ものザトウクジラたちが
滞在することが知られています。


ところが、
2015年12月になっても
ハワイにザトウクジラが来なかったのです。

humpback1FaceBook/ OCEAN DEFENDER - Hawaii



何故、ザトウクジラたちが来なくなってしまったのか、
今、どこにいるのか
理由はわかっていません。

今後どうなるのかもわかりません。

humpback2FaceBook/ OCEAN DEFENDER - Hawaii




また
クジラの大量死は
軍事演習の影響が大きいとみる専門家もいます。


以下は
ひかたま:軍事演習で犠牲になるクジラたち
からの抜粋です。


米国海軍では、
国民を守るために「合法的に」
クジラやイルカを殺傷してもよいことになっています。


動物環境保護団体「天然資源保護評議会」(NRDC)が

米軍が大量のクジラ&イルカ類を殺傷していることは
「米国環境政策法」
「海棲哺乳類保護法」
「絶滅危惧種保護法」
に違反しているとして

米国海軍を訴えています。

米連邦最高裁は、
米軍の訓練は、
クジラ保護に勝るとして、
海軍側の主張を全面的に認め、
支持する判決となりました。



そして、毎年演習規模は拡大しています。



米軍が使用する低周波ソナーは、
音波源から480km離れた遠隔地でも、
140デシベルもの大音量が維持されると推定されています。


米軍が利用する大音響の低周波ソナー音や兵器による爆発音などが、
海洋哺乳動物の耳や脳が破壊されてしまうことが
科学的に確認されています。
 


音を頼りに生活している
海洋動物にとって
耳や脳の損傷は死活問題なのです。

アラスカ湾での軍事演習で
死傷が確認された海洋哺乳動物は次のようなものがあります。(赤字は絶滅危惧種)

セミクジラ
ザトウクジラ
シロナガスクジラ
ナガスクジラ
イワシクジラ
コククジラ
マッコウクジラ
トド
ラッコ
ミンククジラ
オルカ
カマイルカ
ネズミイルカ
イシイルカ
カリフォルニアアシカ
キタオットセイ
キタゾウアザラシ
ゼニガタアザラシ





海軍の演習活動によって
犠牲になったクジラなどの海洋哺乳類は、
この5年間の北太平洋だけでも
1200万頭
と見積もられています。

米海軍も、
海洋哺乳類を殺傷している事実関係を認め
2014 ~2019年の間に行う演習によって
海洋哺乳動物に及ぼす影響を試算した報告書を発表しています。
それによると、
死傷が発生する数は、
2000万頭。

この数字に関しても
「天然資源保護評議会」(NRDC)の専門家は、
表面的な数字であるとして、
実際の被害は、
はるかに多いと推定しています。


さらに
すべての試算には
大型の海洋哺乳動物以外の被害は除外されています。


今回のブラジルの大量死でも
ザトウクジラが大きいので目立って報道されましたが

実は
他の海洋生物たちも異常な数が大量死しているのです。




19世紀と20世紀初頭の商業捕鯨により、
ザトウクジラの個体数は9割近く激減しました。


一時は
2000頭以下となってしまった可能性もあります。



国際捕鯨委員会は1966年に商業捕鯨を禁止し、
米国も1973年から「種の保存法」によりザトウクジラを保護してきました。
その結果
ザトウクジラの個体数は約6万まで回復し、
国際自然保護連合のレッドリストでも絶滅の危険の少ない
「低危険種(Least Concern)」に格下げされました。

それでも
いまだ絶滅危惧種であることには変わりありません。


でも、
日本は
国会の決算委員会における答弁で、
商業捕鯨の再開に向けた努力をいっそう強めていくとの意向を示してしまいました。

これは
国連の司法機関である国際司法裁判所が、
日本が南極海で行っていた捕鯨活動の停止を命じる判決を下した後だったために
世界各国から非難が集中しています。






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