都市鉱山(urban mining)という言葉があります。

都市でゴミとして大量に廃棄される
家電製品などの中に存在する有用な資源のことです。



2020年の東京オリンピックのメダルも
使用済み携帯電話などの小型家電から製作する
「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」
を実施しています。

オリンピック・パラリンピック合わせて
金・銀・銅約5,000個のメダルを製作する予定だそうです。
(リオのメダル数は5130個でした。)




スイスの下水には
毎年約2億円相当の純金が流出しています。
毎年です。


sn-goldsludgeHsciencemag.org


スイス連邦水科学技術研究所が
スイス国内64ヶ所の下水処理施設で調査を行っています。

その結果では、
スイスの都市の下水や汚泥には、
年間
43キログラムの金、3トンの銀
が含まれていることが判明しました。
その価値は
180万ドル。

他の金属資源も
毎年1300万ドルの価値の下水が流れています。



これらの金銀やレアメタルなどは、
回収のための大規模プラントを作った場合
元がとれないために垂れ流しにしておくしかないようです。





そして
日本の下水にも貴金属が垂れ流しになっています。

長野県諏訪市の下水道処理施設の調査では、
処理する汚泥に多量の金が含まれていることが判明しています。

この汚泥を処理すると「溶融飛灰」という産業廃棄物が作られます。

今までは
この溶融飛灰は、単なる産業廃棄物のために
処分するために年間 700 万円ほどの処理費用がかかっていました。

その溶融飛灰も都市鉱山であることがわかったために、
金属精錬会社に売却して
500 万円もの収益を得られたことを
長野県諏訪建設事務所が発表しています。






日本の都市鉱山はどうなっているのでしょうか。
2008年に
国立研究開発法人物質・材料研究機構が行った試算では、
日本の都市鉱山には
約6800トンの金、6万トンの銀、3800万トンの銅が存在しているようです。


これは
全世界の埋蔵量の
金は16.4%、銀は22.4%、銅は8.1%
にも達します。



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