ホッキョクグマ

北極圏の極寒の地にだけ生息するしろくまさんです。

肉食獣としては世界最大です。
Medium_WW22779worldwildlife.org

先日餓死寸前のホッキョクグマの写真と動画が公開されました。

ひかたま:餓死寸前のホッキョクグマ


普通のクマは、
春から秋にかけてしっかりと栄養をとり
寒くなる冬には冬眠してすごします。


でも
ホッキョクグマは
氷の少ない夏には餌をとることができないために、
冬にたっぷりと栄養をとります。






栄養源のほとんど存在しない北極圏での主なエサは、
アザラシたちです。


冬になり海が氷で覆われると
アザラシたちは、氷の下の海を泳いでいますが
呼吸するために氷の穴から定期的に顔を出します。

ホッキョクグマは、
氷の穴の前でじっとアザラシが呼吸のために上がってくるのを待っているのです。

そして
アザラシが氷の穴から顔を出した瞬間に
前足でアザラシをひっかき、
氷の穴から引き出して捕まえます。

時には
氷上で休んでいるアザラシも襲うこともあります。

初夏になると
北極の氷が溶けはじめるため、アザラシを捕まえることはできなくなります。

再び11月に海が氷で覆われるまでの間
5ヶ月ほどは陸地で暮らします。
陸地では食べ物がとれない時期が続きます。


でも
冬にいち早く海氷が接岸する海岸線へと移動するために
そして
初夏には海氷を渡って陸地へと行くために
常に移動しています。


ngsvnews.nationalgeographic.com




いままでは、
夏の飢餓状態の時期に
代謝を落として体力を温存していると考えられてきました。


でも
最近の研究で判明したことは
全く逆だったのです。

ホッキョクグマの代謝率を測定した研究があります。
一年を通して代謝率を測定した結果では、
代謝率が低下するのは冬の時期であり、
それによって
夏の飢餓状態を生き抜く分のエネルギーを節約して蓄えていることが判明しました。


冬に積極的に活動しながら
冬眠状態を作り出していたのです。






現在は
海の海氷が少ない時期が長くなり
夏のための蓄えが激減しています。


2002年に世界自然保護基金(WWF)が発表した報告では、
気候変動によってホッキョクグマが深刻な危険に晒されており
それが原因となって
絶滅してしまう可能性があるとの予測をしています。


温暖化による海氷の減少で
ホッキョクグマが陸上で過ごさなければならない期間が長くなっており、
何も食べられない絶食期が延長してしまい、
その結果
健康が損なわれていることも報告されていました。


この発表から
15年後の現在、
海氷の状態はさらに悪化の一途を辿っています。

毎年北極圏の海氷の観測を行っている米国雪氷データセンター(NSIDC)によると
北極圏の海氷の面積は年々最低記録を更新しています。


昨年
ワシントンポスト紙で

北極点では例年より36℉(20℃)高い異常な高温を詳しく報じました。

npwashingtonpost.com




デンマーク気象研究所(DMI)は、
北極の天候の変化を1時間ごとに追跡記録していますが、
北極圏上空の大気の温度が、
4週間以上の間
平年よりも9~12℃高い状態が続いていました。

この高温化は
今後も悪化する可能性がとても高いと推測されています。


2016年はヨーロッパ地球科学連合(EGU)
2017年は米国地質調査所(USGS)が、
調査の結果
海氷の減少がホッキョクグマの絶滅にかかわる脅威として増大していることを確認しています。





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