生き物には、自己増殖という能力を持ったものがたくさんいます。


マクロストマム・ヒストリクス (Macrostomum hystrix)」という
この写真の生き物は、
交尾の相手が見つからない場合
自分の生殖器を自分の頭部に突き刺して自家受精を行います。





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1. 頭部  2. 精巣 3. 卵巣 4.成熟途中の卵
5. 成熟した卵 6.尾部


「マクロストマム・ヒストリクス」は、
扁形動物門ウズムシ綱に属する生き物です。


体長約1mmの小さな水生生物。

雌雄同体で、
雄と雌の両方の生殖器官を持っています。

雌雄同体の生物では、
交尾を行って子孫を増やす他にも
交尾する相手がいない場合には、
自分の精子と卵子を受精させる自家受精が普通に行われます。


でも
マクロストマム・ヒストリクスは、
自家受精する際に
針状の突起物を自分自身の頭部に突き刺して自家受精を行うのです。


写真は尾部の拡大図。
スタイレットと呼ばれる精子を注入する器官と
成熟した精子を溜めておく精嚢が見えます。
eerspb.royalsocietypublishing.org

マクロストマム・ヒストリクスを
集団と単体に分けて観察すると
集団では、尾部に精子があるのに対して、
単体では、頭部に精子があります。

これは
交尾相手がいない場合に
自分の頭部に交接器を射しこんで
精子を送り込んでいるためとされています。

もちろんこれは
相手がいない緊急措置のようなもの。


他の個体と交接した方が
遺伝子の組合せのバリエーションが広がり
種としての適応度の増大につながっているはずですから。


生き物が置かれた状況下で
対応する能力はすごいものです。


それぞれの生き物が
子孫を残していくために
工夫しているのですね。

そして
頭に生殖器を突き刺すという生き残り術。

科学の発展に伴って
さまざまな驚くような事実がでてきます。

それに伴い
私たちの頭も柔軟になってきたように思います。

でも
まだまだ「常識」に囚われてしまっています。

「囚」は
制限されている空間「口」の中に
人がいる状態。

「常識」自体が「囚」の象徴です。

もう仮想空間に作られた制限を取り払い
さらに柔軟な発想でいたいですね。



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