「石の上にも三年」
ということわざがあります。

何事にも忍耐が大切。
一つのことを頑張って続ければ、
いつかは成し遂げられるということ
を意味しています。


でも
三年よりも長い期間ずっと岩の上にとどまる生き物がいます。

深海に
「ホクヨウイボダコ (Graneledone boreopacifica)」
というタコが生息しています。

octopus_sdi1_2014-0interactiveoceans.washington.edu

このタコは
四年半という長期に渡って
卵を守り続けていたことが判明しました。

これは
すべての生物の中で
最も長期間卵を守った記録になります。

タコやイカなど頭足類の寿命は、一般的に1~2年と短いのです。
今回発見されたタコは、
抱卵期間だけでも
平均寿命をはるかに上回っていました。 



モントレー湾水族館研究所の研究者らが観察したのは、
米国カリフォルニア州モントレー湾沖です。


研究チームは、
約1400メートルの深い海で
ロボット潜水艇を使っての調査中に
岩壁近くにタコの姿を確認していました。
そのタコの体には
特徴的な傷があり
容易に個体識別することができました。

1カ月後、
研究チームは、
同じタコが深海の岩にしがみついて
透明な卵を守っていることを確認しました。


これは、
7ヶ月目の様子です。
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3℃という冷たい海域でゆっくり成長する卵と、
じっと岩から離れずに
卵を守りながら徐々に衰弱してゆく母タコを観察し続けました。

2年経っても
3年経っても


そして
4年経っても
母タコはずっと卵を守り続けていたのです。



研究チームは
潜水艇を使って
53ヶ月の間に18回、同じ場所に戻って、
この母タコと卵たちの観察を続けました。

そして
4年半が経過したある日
母タコは姿を消し
約150個の孵化した後の空になった卵が残されていました。


このタコの卵は
オリーブの実くらいの大きくて、
酸素を大量に必要とするようでした。

母タコがずっと産卵した岩から動かないのは、
捕食者から卵を守ると同時に、
卵に酸素を送り込んだり
卵を泥などからも守るためのようです。



浅瀬のタコは
ごく小さなプランクトン形態のうちに孵化しますが
深海では
赤ちゃんを完全なタコの形になるまで成熟させてから孵化させることで、
厳しい環境の深海で生き残るすべを与えているようです。

深海のタコの場合
卵が孵化すると同時に
母は死亡することも多いようです。


それだけ
命をかけて赤ちゃんたちを守る本能は
すごいものです。





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