今日は
ワクチン接種の救済制度
についてのお話です。


ワクチンの予防接種や医薬品の使用で有害事象が起きた時に
救済制度があることを
多くの人は知らないと思います。


syringe-1974677_1280


ワクチンは、
一般的な医薬品と同じ様に
副作用が起こるリスクはゼロではなく、
健康被害が起こり得るものです。


医療では
治療や予防のために使われる医薬品の主な作用を「主作用」といいます。

そして、
主作用と異なる治療をする上で意図していない作用を「副作用」といいます。
この副作用には
医薬品の性質上、
いまだ知られていない未知のものが数多く存在します。

処方する側も、処方される側も
現代科学では
全くわからない部分の方が多いのです。



さらに
「副反応」という用語があります。

これは
ワクチン接種で使われていますが、
ワクチンの主作用が、免疫反応を刺激して病原体に対する抵抗力を高めていくことであり、
それ以外の身体的な反応と接種行為による有害事象をまとめて「副反応」といいます。


つまり
副反応とは
「ワクチン接種による副作用と接種行為によって誘発された有害事象」
という定義になります。


この副反応対策として
予防接種後副反応疑い報告制度というものがあります。

これは
「医師などが予防接種を受けた者が一定の症状を呈していると知った場合に厚生労働大臣に独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)経由で報告する義務制度」です。


この制度は、
ワクチン接種後の副反応について情報を収集することによって、
ワクチンの安全性についての情報管理と改善を目的とするものです。



そして
ワクチン接種前には
基本的にインフォームドコンセント(患者へのわかりやすい説明)が必要とされています。

インフルエンザワクチンの任意接種用の予診票の医師記入欄には
「本人又は、保護者に対して、予防接種の効果、副反応及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済について説明しました」とインフォームドコンセント確認用の記載があります。

ワクチン接種に際しては、
ワクチン接種救済制度についてわかりやすく説明されるのはこの制度のためですが、
実際の現場では
省略されることが多いかと思います。



予防接種後の健康被害に対する救済制度

ワクチン接種によって健康被害を伴う副反応が出た場合には。
公的な救済制度が設けられています。

救済制度による救済給付金は、
定期接種か任意接種かによって異なります。


定期接種の場合:予防接種健康被害救済制度
給付は、
定期接種A類疾病(B型肝炎、Hib感染症、小児の肺炎球菌感染症、ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ、結核、麻しん・風しん、水痘、日本脳炎、ヒトパピローマウイルス感染症)
定期接種B類疾病(インフルエンザ、高齢者の肺炎球菌感染症)
で異なります。



任意接種の場合:医薬品副作用被害救済制度および生物由来製品感染等被害救済制度

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法(PMDA法)に基づく公的な制度です。
この制度は、
医薬品などを適正に使用したにもかかわらず発生した
副作用による入院が必要なレベルの状態や
日常生活が著しく制限されるレベルの障害に対して、
医療費などの給付を行う制度です。
任意接種の場合には、こちらの救済制度に該当します。



自分の症状が副作用なのかどうかを確認したい人向けのサイトがあります。
こちらを参照してください。
ひかたま:飲んでいる医薬品の副作用の調べ方

ただし、
ワクチンの有害事象に関する情報を掲載するウェブサイトは
かなり減ってきています。




健康被害を伴う有害事象が出た場合には、
まず、
担当医師に申し出ます。
担当医師は
有害事象を確認した上で
救済制度について再度説明し、
診断書や証明書の作成、
PDMAへの報告を行います。

それによって
ワクチン接種と健康被害との間に因果関係が認められた場合、
救済給付が実施されます。


給付金には、
医療機関での治療に要した医療費や医療手当(医療を受けるために必要な諸費用)、
障害が残った場合の障害児養育年金や障害年金手当
死亡時の葬儀料と一時金、遺族年金
などがあります。


国内未承認ワクチンによる健康被害では
基本的に公的な制度は適応されません。

参考サイト
日本小児科学会:予防注射の副反応と有害事象

独立行政法人医薬品医療機器総合機構法:医薬品副作用被害救済制度



今日もありがとうございます。
ブログランキング参加しています。
応援クリックお願いします。

人気ブログランキング