バオバブの木。

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世界でも
アフリカとオーストラリアだけに
原産地があります。

原生種は、
アフリカ大陸に1種
マダガスカルに6種
オーストラリアに1種です。
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とても長寿で
巨大な幹へと発達していきます。

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アフリカでは
悪い精霊が巨木を大地から引っこ抜いて
さかさまに植え直した
という伝説も残っています。


この巨大な幹の中に
人が家を造ったり
牢屋として使われていたこともありました。

アフリカゾウは、
このバオバブの木に水が蓄えられているのを知っていて
干ばつの時には
樹皮を齧って喉を潤します。


人もバオバブの木を貯水槽として利用することもあります。
雨季に木の幹に穴をあけて
雨水を幹の中に貯めておくのです。




私が昔住んでいた地域にも
たくさんのバオバブの木がありました。
現地では、
バオバブとは言いにくいので
「ボアブ」と呼んでいました。

炎天下の荒野にも生えていて
歩き疲れた時には
バオバブの木陰が
オアシスのように有難い存在でした。

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巨大な樹木の割には
葉が少なく、
上の方にほんの少しだけついています。

しかも雨季にだけ葉があり
乾季には葉が落ちてしまいます。
それだけ過酷な環境に生育しているのです。

巨木に必要な光合成は
あの巨大な幹でも行われています。



ルーマニア、南アフリカ、米国の大学の研究チームのアフリカでの調査によると
この12年間のうちに
最古のアフリカバオバブの木の13本の中の9本、
最大のアフリカバオバブの木の6本の中の5本
が、
全体または最い幹や枝が枯れて崩壊してしまっていることが判明しました。

今回危機的な状況のバオバブが確認されたのは
ジンバブエ、ナミビア、南アフリカ、ブツワナ、ザンビアです。

樹齢は
1,000年から2,500年以上の巨木。


古いアフリカバオバブになると
樹齢が2500年以上あり、
長い年月生きてきた樹木が
このたった十数年というわずかな期間で
多数失われてしまったことになります。


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枯れ死の原因は
気候の変動と推測されていますが、
実際のところはまだ不明です。


ちなみに
日本では
すでに
樹齢数千年の巨木は
あまり残されていません。

自然を大切にするということは
目先の利益を優先させずに
数百年数千年先をも見て
今を大切にすることです。



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ひかたま:樹木から学ぶ


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君が代から神が代へ 上巻
森井 啓二
星雲社
2017-12-18



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